上がったり、下がったり、恋愛ってきっとそんなもの。
ゲーセンでの時は、まちがいなく上がってた。
でも今は──。
そばにいれたらそれでいいって思ってたけど、ちがうのかもしれない。
昨日の夜、あの二人がカフェで一緒にいるところを見て心が凍りついた。
なんで、二人が一緒にいたんだろう……。
考えれば考えるほどわからなくて、無限のループに陥っている。
「叶ちゃん、叶ちゃん」
「え?」
あ、ヤバい、ぼんやりしてた。
「大丈夫? 顔色悪いよ?」
「大丈夫だよ、それよりこれからどこ行く?」
斎藤くんのことを考えると、どうしようもなく苦しくなる。だから、もうなにも考えたくない。
楽しいことをして、憂うつな気分を吹き飛ばしたい。
「んー、どうしよう。叶ちゃんは、どこ行きたい?」
「そうだなぁ。カラオケとか?」
「珍しいね、叶ちゃんがカラオケ行きたいなんて」
「たまには、ね」
だってそうでもしないと余計なことを考えちゃって気分が沈む。
「カラオケか、久しぶりだな」
「行こっ!」
すでに七月に入ってから数日が経っていた。