そんな生き方をしてるから、本当にほしいものはいつも、いつだって、手に入らない。
情けない、カッコ悪い。それは自分でもわかってる。
どうやったらちがう生き方ができるんだよ。
逃げてばかりいるから、ダメなのか……?
でも、どうすればいいんだよ……。
「小次郎、ご飯だよー!」
姉ちゃんに呼ばれてベッドからガバッと起き上がると、見たくないものが目に入った。
電話が鳴ってる。しかも、相手は真央──。
あーもう!
なんなんだよ、いったい。
わけ、わかんねーよ。
荒々しくスマホを握ると、通話を切るボタンを押そうとした。
でも──。
真央は自分が納得するまで諦めない性格だし、このまま逃げていてもなにも解決しない。このままじゃ、俺も気になってモヤモヤする。
「もしもし」
「あ、ウソ、コジローくん?」
「なんだよ」
「よかった、電話に出てくれて!」
電話の向こうで、うれしそうな声がする。
まさか俺が出るとは思ってなかったかのような言いかただ。
「ごめんね、電話なんかしちゃって」
「いいけど、なんだよ?」
ついつい、冷たい言いかたになってしまう。
自分から別れを切り出したものの、やっぱり真央は俺の中で特別な存在で。



