ゴロゴロゴロゴロ。

──ゴロン

「きゃあ」

キングサイズの広いベッドでそうしていると、勢いあまって床へと落ちてしまった。

「い、痛い……」

うう、情けない。

なにやってるんだろう、あたし。

って、さっきからそればっかり。

斎藤くんと近づきたくて、でもなんの努力もしてこなかったのはあたし自身。あんな形で告白するつもりなんてなかったのに、それでも想いが伝わったことは進歩なんじゃないかな。

そう思うようにしてギュッと目を閉じた。だけど眠れるはずもなく、心臓がドキドキバクバクする。

結局ほとんど寝ることができなくて、いつの間にか夜が明け、空が白んできた。

ベランダに出て何気なく太陽を見る。この高級マンションの最上階からだと、空がとても近いので、天気がいい日はよくこうしてベランダから空を見上げている。

そうしていると悩みなんてどこかに吹っ飛んでいっちゃうような気がして楽になるんだ。

でも、今日はちがう。空を見ていても出るのはため息ばかり。ため息を吐くと幸せが逃げちゃうっていうけど、今日だけはどうしようもない。