だって、こんなドキドキ展開があたしたちの間に起こっていいの?
斎藤くんの気持ちが、わからない……。
「ぷっ、なんだよ、まちがいって。叶ちゃん、ウケる!」
うっ、ウケられてしまった……。
斎藤くんって、子どもみたいに面白おかしく笑ったりもするんだな。
「でも、これはまちがいじゃないから、手、握っててもいいですか?」
「え、も、もちろんっ! それは、こっちからお願いしたいくらいだけど!」
「ははっ」
いいのかな?
そう思ってしまうのは、きみの気持ちがわからないからだ。
「じゃあ、家の前まで送って行くんで」
「え、そんなの」
「嫌とか言うのはなしな。俺、結構頑固だよ?」
「は、はい……わかりました」
ゲーセンを出ると、さっきまでのゆるんだ斎藤くんの表情がキリッとしたものに変わった。
辺りをキョロキョロしているのは、さっきの男たちがいないか確認しているからなのかな。
「とりあえず大丈夫みたいだな」
繁華街の中は人通りが多くて、人に隠れるようにしながらあたしたちは進む。
斎藤くんはあたしの手をギュッと握って、その手の温もりにあたしは終始ドキドキしっぱなし。
ごめんね……こんな時なのに、あたしはうれしいって、そんなふうに思っていたんだ。



