もっと俺を、好きになれ。


次の日のお昼休み、あたしは一人屋上へ。

とてもじゃないけど、教室で斎藤くんたちと食べる気にはなれなかった。

昨日からなにを食べても味がしなくて、おまけにあまり食欲がない。

頭にあるのは斎藤くんと真央ちゃんのことだけ。

こんなに気になるんだ、はっきり聞いたほうがスッキリするに決まってる。

ウジウジしているあたしは、あたしらしくない。

どんな時でもポジティブに!

それがあたしだから。

──ガチャ

「叶ちゃん」

屋上のドアの向こうから、斎藤くんが姿を見せた。

「あ」

「気づいたらいないし、ここかなって」

「ご、ごめんね。今日は晴れてたから、屋上にきちゃった」

「それなら連絡しろよー」

「ごめん……」

斎藤くんはあたしの隣に座ってお弁当を食べ始める。

聞け、聞くんだ、あたし、ほら早く。

さっき、そう誓ったでしょ?

「き、昨日のことなんだけど」

プチトマトを口に放り込んだ斎藤くんが、不思議そうに首を傾げる。

「うん?」

「さ、斎藤くんの元カノの話」

「え、あー……」

言葉を濁した斎藤くんは、あたしから視線をそらして宙を見上げる。