「めちゃくちゃラブラブだったよ〜! 斎藤くんも超一途で、他の子なんか見えてなかったもん! ところがどうして、今みたいになっちゃったのかな〜!」
想像していたとはいえ、できれば知りたくなかった。聞きたくなかった。
聞いちゃうと、今まで曖昧だったことを事実だって認めなきゃいけなくなる。
ラブラブ……。
超一途……。
中学の時の斎藤くんは、真央ちゃん一筋で真面目に恋愛してたんだ……。
二年も付き合ってたなんて知らなかった。
それだけ本気だったってことか。
好き、だったんだね……。
斎藤くんにとって、真央ちゃんはそれだけ特別な存在だった……。
胸の奥がヒリヒリ痛い。
真央ちゃんのことを思い出さないように、考えないようにしようと思ってた。
でも、ダメだ……。
「あーもう。なに勝手に見てんだよ。しかもルナちんは、余計なこと言いすぎっ」
斎藤くんの腕がスーッと伸びてきて、強制的にアルバムをパタンと閉じた。その横顔はムッとしていて、不機嫌そう。
「ダメー、まだ全部見てないのにー!」
斎藤くんのすぐ横にいた花岡さんが、プクッと頬を膨らませる。
「ラブラブな彼女がいたなんて聞いてないよぉ。なんでその子と別れちゃったの?」
「そうだよー、なんで〜?」
「関係ないだろ、そんなこと」
「え、あるよ。気になるもん」
「どうでもいいだろ、ほっとけよ」
いつも穏やかな斎藤くんにしては投げやりな話しかた。口調もいつもとは全然ちがう。
内心ヒヤリとしてしまった。
「な、なによ、そんなに怒ることないじゃん……」
「べつに怒ってないけど? 余計なこと詮索してんじゃねーよ」
余計なこと、斎藤くんにとってはそうなのかもしれない。
みんなの前で面白半分に暴露されて、いい気がしないのはわかる。
でもね、だけど、好きだから──。
気になるよ。
だけど、別れた理由をあたしは知ってる。
真央ちゃんのことを想って、斎藤くんのほうから『別れよう』って言ったんだよね。
きっとツラかったよね。悲しかったよね。
痛いほど斎藤くんの気持ちがわかって、胸が苦しかった。



