もっと俺を、好きになれ。


「も、元彼じゃないよ……っ」

「またまた〜! こんなカッコいい人に告白されて、付き合わない人なんていないでしょ」

「だよ〜!」

「斎藤くん、叶ちんの元彼が超イケメンだよ〜!」

「!?」

る、ルナちん?

離れた場所でスマホゲームをしていた斎藤くんが顔を上げた。

そして首を傾けてみせる。

「え、なんて?」

「だからー、叶ちんの元彼の話!」

「る、ルナちんっ……!」

も、元彼じゃないし!

「元彼がなんだって?」

「超イケメンでお似合いなのっ!」

「ちょ、ルナちん」

「しーっ! いいからいいから!」

ルナちんはニヤニヤして、絶対にこの状況を楽しんでいる。

なんでよりによって斎藤くんにそんなこと言うのー!

「ふぅん」

なんだか興味のなさそうな返事だった。

斎藤くんはそれよりもスマホゲームに夢中なようで、すぐにあたしたちから視線をそらす。

うっ、べつになにか反応してほしいとかじゃないけど、ちょっとは気にしてくれてもいいんじゃないかな。

まぁ、べつにいいんだけど……。

いや、よくない。

興味がないと言われてるみたいで、ショックだった。

「つまんない反応だなぁ。あ、叶ちん、今度はうちらの卒アル見て見て!」

「あ……うん」

ダメダメ、暗くなってちゃ。