もっと俺を、好きになれ。


「あ、武富くんじゃん!」

「わ、織田さんもいるー!」

「この二人、めっちゃラブラブだよね〜!」

次の日のお昼休み、あたしが持ってきた卒アルで思いの外盛り上がった。

「あ、叶ちん発見!」

「え、やだ、超かわいいんだけど!」

「ホントだ〜! 優等生の美人さんだ」

みんなが卒アルを取り囲むように座って、中学の時のあたしに注目する。

び、美人だなんて、えへへ、うれしいな。

「めちゃくちゃモテたんじゃない?」

「うちのクラスでも、叶ちんのこと狙ってる男子多いよ」

「く〜、これだけ美人だったら選びたい放題だね。羨ましい〜!」

ルナちんとエミちゃんマミちゃんとあたしで、ワイワイ騒がしい。

「ねぇねぇ、この中に叶ちんの元彼とかいる?」

「も、元彼……?」

あはは……彼氏どころか、好きな人さえいなかったよ。

「あ、この人カッコいい! 爽やか系の生徒会長って感じ!」

ルナちんが指さした先には、中三の時に同じクラスだった爽やか系の男子が写っていた。

みんなその人を見て、うんうんと力強く頷いている。

「たしかにモテてた、かな。生徒会長とクラス委員長もしてたし、学校一の人気者だったかも……」

うん、人気者だった。

しかも……。

「え、叶ちゃん真っ赤なんだけど! どうしたの〜?」

「こ、告白されたことあるの、その人に」

「ええっ!? なにそれズルい!」

「さっすがモテ女!」

「そ、そんなんじゃないよっ」

「さっすが叶ちんの元彼! ハイスペックすぎる〜!」