「じゃあ、好きな人はいる?」
──ドキッ
そう言われて再びチラリと斎藤くんに目を向ける。すると、思わず目が合ってしまった。
「おーい、ルナちんたち、あんまり叶ちゃんをイジメないでやって」
「えー、イジメてないし。うちら、仲良くなりたいだけだもん」
「そうだよー、邪魔しないで。で、叶ちん、好きな人は?」
か、叶ちん?
「叶ちんって呼びかたかわいいー! あたしのことはルナちんって呼んでね」
「あたしはエミだよ」
「マミでーす」
ルナちんは目がパッチリしていて背が低くてかわいらしい女の子。
エミちゃんはお姉さんタイプの大人っぽい女の子で、大和撫子ふうの美人さん。
マミちゃんはボブカットのよく日に焼けたスポーツ少女で、女バスのキャプテンをしているサバサバ系の女の子。
「あたしは斎藤くんと同じ中学出身なの」
ルナちんがかわいい笑顔をあたしに向ける。
守ってあげたくなるほどかわいいルナちん。
同じ中学出身、かぁ。
だとしたら、中学の時の斎藤くんも知ってるんだよね。
いいなぁ……。
「で、好きな人は?」
「え、い、いる、かな……」
「きゃあ、だれだれ? 気になるっ!」



