もっと俺を、好きになれ。


ご飯を食べ終えると斎藤くんや男子たちはスマホゲームを始めたので、なんとなく女子だけで固まっておしゃべりが始まる。

一人浮く形になり、どうしようかとおどおどしていると、女子の中の一人が手招きしてあたしを呼んでくれた。

恐れ多いながらもその中に加わることに。

三人ともみんなかわいくてオシャレだった。顔は見たことがあるけど、同じクラスになったこともなければ、話したこともない子ばかり。

みんなそれぞれバスケ部の中に彼氏がいるらしい。

「青野さんは、斎藤くんの彼女なの?」

「えっ?」

「ちがうの?」

「教えて教えて!」

「気になるー!」

「ち、ちがうよ」

チラッと斎藤くんに目を向ける。無邪気にゲームをする斎藤くんは、子どもみたいだ。

「えー、ちがうの? なーんだ、斎藤くんがお昼に女の子を誘うのって珍しいから、なにかあるのかと思っちゃった」

「コジローくんって、今まで彼女をこの中に連れてきたことないもんね」

「ねー。みんなで遊ぶ時だって、連れてきたことないよね」

そう、なんだ?

でもそう言われてみれば、三年生になってから斎藤くんが教室で彼女といるところを見たことがないかも。

二年生の時は教室でいつも彼女と一緒にいたけど……。

あれはツラかったなぁ。