「なにげに青野さんと話すの初めてに近いよな〜! よろしくー!」
「あ、はい、よろしくお願いします」
ペコッと一礼すると、周りのみんなが噴き出した。
「青野さん、真面目すぎっ」
「この前はマジでペンキごめんな?」
宮間くんはあれから何度も謝ってくれて、その度にあたしは大丈夫だって言ってるのに、はまだ気にしているらしい。
「大丈夫だよ」
「宮マン、おまえそろそろしつこいぞ」
「そうそう、しつこい男は嫌われるんだからな」
「わかってるよ。つーか、マジで反省してんの、俺は」
「おまえ、そんなこと言って青野さんに絡みたいだけだろー? 彼女に言いつけてやる」
「は? やめろよ、あいつ、怒るとマジで怖いんだからなっ」
斎藤くんの周りはすごく騒がしくて、あたしは話に入っていくことができない。
だけどそれでも楽しくて、気づくとそこには笑顔が耐えない空間になっていた。
なんというか、斎藤くんの周りは温かいんだよね。
それは斎藤くん自身がそうだからということもある。波長が合うというか、一緒にいるとすごく楽しい。



