「はぁ……」

もう何度目のため息だろう。

昨日はあのあと帰ってからまったく眠れなくて、おかげで今日はものすごく寝不足だ。

おまけに学校にきても昨日のことが頭から離れないし、授業中もずっと隣の席の斎藤くんを意識してドキドキしっぱなし。

朝、どんな顔をして会えばいいかわからなかったけど、斎藤くんはいつも通り普通で。

あたしだけが、昨日のことを意識してしまっている。

『好き』だなんて言っちゃったし……。

恥ずかしい。

お昼休みに入って、あたしは窓の外を眺めた。今日は雨なので屋上で食べることができない。

どうしよう。

そう思っていたら斎藤くんが「教室で俺らと一緒に食べよう」って言ってくれた。

いいの、かな?

ちょっと緊張するけどお誘いを無下に断ることもしたくなくて、斎藤くんがいつも一緒になって食べている男子の輪の中に混ぜてもらった。

そこには女子も数人いて、どの子もちがうクラスの子だったけど、温かくあたしを迎えてくれてホッと胸を撫で下ろす。