いつも遠目で見ているだけだった斎藤くんのバスケをする姿は、ものすごくカッコよかった。
思わず手を叩いて拍手すると、斎藤くんは恥ずかしそうに頬をかいた。
「ただのシュートなのに大げさだって。よしっ、次はスリーポイントシュートを決めてやるっ!」
はにかむように笑ってラインの外に出る。
街灯に照らされた真剣な斎藤くんの横顔は、ゾクゾクするほどカッコいい。あたしのことも、これだけ真剣に想ってくれないかなぁ……なんて。
あたしは黙ったまま狙いを定めるその横顔を見つめる。やっぱり好きだな、カッコいいな。ずっと見てたい、その表情。
狙いを決めた斎藤くんが再びボールを放った。
ゆっくりときれいな弧を描いて飛んでいくボール。
それはどこにもぶつかることなく、ただまっすぐにゴールを目がけて飛んでいき、やがてネットを揺らした。
「っしゃー!」
満面の笑みを浮かべてうれしそうにガッツポーズをする無邪気な斎藤くん。
それを見てあたしの頬もゆるんだ。
「すごいっ!」
「ははは、俺だってやればできるんだよ」
「うん、うんうんうん! カッコいい!」
「はっはっ、だろー?」
「うん!」
大げさなほど手を叩く。すると、今度はボールがこっちに飛んできた。



