もっと俺を、好きになれ。


ラグマットの上にそっと座り、改めて斎藤くんの部屋をぐるりと見渡す。

床にはパジャマと思われるグレーのスウェットが落ちているけど、全体的にはきれいに片付いていてサッパリした部屋だった。

斎藤くんのことが知れてうれしい反面、複雑な気持ちも強くて。このままなにもせずにいれば、きっと、うまくいく。

そうわかっていても、やっぱり真央ちゃんと斎藤くんの関係が気になって、どうしても頭に浮かんできてしまう。

二年も付き合っていたんだよね、真央ちゃんと。

あたしの知る限りでは、斎藤くんは今まで女の子に告白をしたことがなかった。

それなのに、真央ちゃんには斎藤くんから告白して……二年もの間、ずっと真央ちゃんの隣にいた。

真央ちゃんの気持ちが揺れている時、ツラかったはずだよね。

それなのに笑って真央ちゃんの背中を押せるのは、すごいことだよ。

だってあたしには無理。できない。斎藤くんと離れたくないよ。