もっと俺を、好きになれ。


「とりあえずシャワー浴びてくるから、部屋で待ってて。あ、それか一緒に浴びる?」

「ええっ!?」

斎藤くんの言葉に耳を疑う。ビックリしすぎて思わずカバンを床に落としてしまった。

そして大きく目を見開く。

とっさに斎藤くんを見ると、笑いを堪えるかのように口元を手で押さえていた。

「あははははっ、叶ちゃんの反応おもしれー!」

「……っ」

「ウブすぎてウケる!」

「も、もう! からかわないで、ください……っ」

斎藤くんにからかわれたら、本気か冗談かがわからなくていちいち真に受けちゃうんだよ。

「はは、マジでヤバい」

未だにお腹を抱えて笑う斎藤くん。その笑顔を見てると、本気でなにを考えているのかわからなくなる。

「じゃあ、サッと浴びてくるから、叶ちゃんは寛いでて」

今度こそ本当にひらひらと手を振って部屋を出て行く斎藤くん。

一人になってホッとしたけれど、顔にはまだ熱が残っていて。冷えた両手でそっと頬を包むと、頬から手にじんわりと温もりが伝わった。