「きれいな花束ね」

静音がそう言うと、朝ごはんを作り終えたエリックが花束をそっと静音に渡した。

「144本あるんだ。……受け取ってくれる?」

バラの花は本数によって意味がある。たとえば一本目は、「私にはあなたしかいない」。二本目は、「この世界は私とあなただけ」。三本目は、「愛しています」。四本目は、「死ぬまで気持ちは変わらない」。五本目は、「私はあなたに会えて心から嬉しい」。六本目は、「お互いに敬い愛し、心から分かち合いましょう」。七本目は、「密かに思いを寄せていました」。八本目は、「あなたの思いやりや励ましに感謝します」。九本目は、「いつも思っています。いつも一緒にいよう」。十本目は、「あなたは全て、完璧だ」。

「144本の意味はーーー」

静音がその意味を口にすると、エリックが「恥ずかしい!」と言って静音の口を塞ぐようにキスをした。

144本の意味ーーー何度生まれ変わっても君を愛する。