前半
「リンゴちゃーん。おっはよ~」
「リンゴ。おはよう」
登校中。すれ違いざまに友達がリンゴ、と挨拶をしてくる。
私はそれに対し、「みんなおはよ。今日もマジ眠いわー(笑)」と返した。
ところでリンゴとは、私の本当の名前ではない。あだ名である。しかしそこには全うな理由もある為、私もそう呼ぶことを許していたのだった。
まあ、率直に言えば、頬。私の頬は赤くて、丸い、というなんとも単純な理由で、そう呼ばれていた。
しかし。
一人だけ、例外がいた。私のことをちゃんと名前で_廉花(れんか)ちゃん。と、呼んでくれる人が_。
そう。学校一のイケメンと言われ名高い先輩。“高安功”(たかやすこう)先輩。
彼の周りにはいつも人が取り巻いており、キラキラとオーラを放っていた。
私なんて、ホンット次元が違うよね。
いつもそんな気分に浸ってしまう自分がいた。だが_。
放課後。
私は軽音部のドアをそっと開ける。すると、そこに彼の姿はあった。
_高安先輩…!
私ははち切れそうな想いを何とか胸の中におさめて、中へと入った。
そう。私と先輩は、同じ部活な訳…!!
「先輩。すみません。ここ、どうやるか分かりますか?あ、そうここです。二小節目の」
高安先輩は、男らしい大きい手で楽譜を持つと、私に説明をしてくれた。私はそれに見とれそうになってしまうのをギリギリで止める。
こんな私にも優しく教えてくれる先輩は、やっぱりかっこいい。
「分かりにくくてゴメンね」
「いえっ…何から何まですみません…!!」
そう言うと彼は、顔をくしゃっとさせて笑った。こんなの…。
私の心はキュッと締め付けられ、鼓動が速くなっていく。
先輩。先輩。
本当に、好き。
先輩を果物に例えるなら、メロン。私は、ずっとそう思ってた。
今日のこの出来事で、やっぱり高安先輩はメロンだな、と最実感した。
甘い甘い、彼がどうしようもなく、好き。
次の日。
学校へ着くと、登(のぼる)が声を掛けてきた。
「リンゴ、おはよー。てか髪ボッサボサだぞ?ww」
「嘘!」
「嘘じゃねーよ」
登、と言うのは、私の幼馴染みである。昔は人懐っこい子ザルという感じだったのに、今じゃクラスのうるさい男子。と化してしまった。
私はこんな彼を内心ウザいと思っている。
「てかさぁ、勝手に私の席座って男子と話さんでよ。マジ何様ー?」
「登様だけど?」
しれっと返され、私は何も言い返せなくなった。
私は登にボッサボサと言われた髪を半分イラつき気味で直しながら、いろいろ考えていた。
登ってホント昔と変わんない。子ザルみたいな性格。よく食べるとこ。
でも……。声は?身長は?
意識もしてなかったけど、よく見ると身長がいつの間にか高くなっちゃって。声もハスキーがかってる。
って、何考えてるの私!
私が好きなのは高安先輩。他の人は眼中になんかない。少なくとも、アイツだけは……(?)
~後半に続く〜
「リンゴちゃーん。おっはよ~」
「リンゴ。おはよう」
登校中。すれ違いざまに友達がリンゴ、と挨拶をしてくる。
私はそれに対し、「みんなおはよ。今日もマジ眠いわー(笑)」と返した。
ところでリンゴとは、私の本当の名前ではない。あだ名である。しかしそこには全うな理由もある為、私もそう呼ぶことを許していたのだった。
まあ、率直に言えば、頬。私の頬は赤くて、丸い、というなんとも単純な理由で、そう呼ばれていた。
しかし。
一人だけ、例外がいた。私のことをちゃんと名前で_廉花(れんか)ちゃん。と、呼んでくれる人が_。
そう。学校一のイケメンと言われ名高い先輩。“高安功”(たかやすこう)先輩。
彼の周りにはいつも人が取り巻いており、キラキラとオーラを放っていた。
私なんて、ホンット次元が違うよね。
いつもそんな気分に浸ってしまう自分がいた。だが_。
放課後。
私は軽音部のドアをそっと開ける。すると、そこに彼の姿はあった。
_高安先輩…!
私ははち切れそうな想いを何とか胸の中におさめて、中へと入った。
そう。私と先輩は、同じ部活な訳…!!
「先輩。すみません。ここ、どうやるか分かりますか?あ、そうここです。二小節目の」
高安先輩は、男らしい大きい手で楽譜を持つと、私に説明をしてくれた。私はそれに見とれそうになってしまうのをギリギリで止める。
こんな私にも優しく教えてくれる先輩は、やっぱりかっこいい。
「分かりにくくてゴメンね」
「いえっ…何から何まですみません…!!」
そう言うと彼は、顔をくしゃっとさせて笑った。こんなの…。
私の心はキュッと締め付けられ、鼓動が速くなっていく。
先輩。先輩。
本当に、好き。
先輩を果物に例えるなら、メロン。私は、ずっとそう思ってた。
今日のこの出来事で、やっぱり高安先輩はメロンだな、と最実感した。
甘い甘い、彼がどうしようもなく、好き。
次の日。
学校へ着くと、登(のぼる)が声を掛けてきた。
「リンゴ、おはよー。てか髪ボッサボサだぞ?ww」
「嘘!」
「嘘じゃねーよ」
登、と言うのは、私の幼馴染みである。昔は人懐っこい子ザルという感じだったのに、今じゃクラスのうるさい男子。と化してしまった。
私はこんな彼を内心ウザいと思っている。
「てかさぁ、勝手に私の席座って男子と話さんでよ。マジ何様ー?」
「登様だけど?」
しれっと返され、私は何も言い返せなくなった。
私は登にボッサボサと言われた髪を半分イラつき気味で直しながら、いろいろ考えていた。
登ってホント昔と変わんない。子ザルみたいな性格。よく食べるとこ。
でも……。声は?身長は?
意識もしてなかったけど、よく見ると身長がいつの間にか高くなっちゃって。声もハスキーがかってる。
って、何考えてるの私!
私が好きなのは高安先輩。他の人は眼中になんかない。少なくとも、アイツだけは……(?)
~後半に続く〜