「そっかぁ……。少しは智大の事を怖くなくなったのが分かって嬉しいよ」
「……怖くなくなったわけでは……」
あんなことがあったから寝起きの智大には変にドキドキするけれど、完全に覚醒した後の智大はいつものように藍里に対して無表情。
会話も最低限で素っ気ないし、未だに何かにつけて怒られたりすることも多い。
その為に恐怖は完全に消えず、息が詰まり、何かの拍子に震えたり、ご飯が喉を通らなくなるのも全く変わっていない。
そのことを考えると気分も沈んでしまい藍里は力なく俯く。
それ以上何も言えなくなってしまうと圭介は、うーん……。と何か考えるように小さく唸った。
「やっぱりさ、今までが今までだったから智大に対していきなり恐怖がなくなるなんてことはないって分かってるよ。分かってるんだけど……」
幼馴染みである圭介は智大が藍理に対して今までどんな態度をとっていたかを知っているし、そのせいで藍里がどんな目に遭って、どう心を病んでいってしまったのかを知っていた。
だからこそ、圭介は藍里の言葉をいつも否定しない。
だからと言って何でも肯定して甘やかすこともなく、厳しい言葉にならないように注意しながら言葉を選んで自分の考えを伝えてきていた。
今も圭介は藍里の言葉を否定せず、けれど傷付けないように思っていることを伝えようと言葉を選んでいるのが分かったので、藍里はどんな言葉が出てきても受け入れられるように心の準備をしていた。
「……怖くなくなったわけでは……」
あんなことがあったから寝起きの智大には変にドキドキするけれど、完全に覚醒した後の智大はいつものように藍里に対して無表情。
会話も最低限で素っ気ないし、未だに何かにつけて怒られたりすることも多い。
その為に恐怖は完全に消えず、息が詰まり、何かの拍子に震えたり、ご飯が喉を通らなくなるのも全く変わっていない。
そのことを考えると気分も沈んでしまい藍里は力なく俯く。
それ以上何も言えなくなってしまうと圭介は、うーん……。と何か考えるように小さく唸った。
「やっぱりさ、今までが今までだったから智大に対していきなり恐怖がなくなるなんてことはないって分かってるよ。分かってるんだけど……」
幼馴染みである圭介は智大が藍理に対して今までどんな態度をとっていたかを知っているし、そのせいで藍里がどんな目に遭って、どう心を病んでいってしまったのかを知っていた。
だからこそ、圭介は藍里の言葉をいつも否定しない。
だからと言って何でも肯定して甘やかすこともなく、厳しい言葉にならないように注意しながら言葉を選んで自分の考えを伝えてきていた。
今も圭介は藍里の言葉を否定せず、けれど傷付けないように思っていることを伝えようと言葉を選んでいるのが分かったので、藍里はどんな言葉が出てきても受け入れられるように心の準備をしていた。



