「あ……えっと、こちら吉嶺さんと言って、入江さんのお友達、です」
「先輩の……?」
「吉嶺さん、こちら汐見さんと言って、主人と入江さんの後輩さんです……」
「ああ……入江に聞いたことがあります。永瀬さんを崇拝してる物好きな奴がいるって」
「物好き?」
吉嶺の言葉に汐見はピクッと反応して立ち上がった。
一瞬で不穏な空気になった気がして藍里がおろおろしていると、吉嶺が挑発するように鼻で笑った。
「だってそうでしょう?エリートだと一目置かれる特殊班の中でも特に永瀬さんに憧れるなんて……見る目がない」
「は?あんたに何が分かるんだよ。先輩のストイックさや機敏な動き、任務の時の真剣な眼差しとか沈着冷静さを知らないだろ」
「知らないし、知りたくもないね。俺の運命の人である藍里さんと俺が出会う前に、図々しくも結婚していた奴のことなんて知りたくない!」
「なんだそれ、完全なる横恋慕な上に醜い嫉妬じゃないか!」
「何とでも言え!!」
吉嶺の完全なる開き直りに、汐見が引くどころか見事に反論している。
いつの間にか吉嶺は藍里の可愛らしさを、汐見は智大の格好良さを怒鳴るように言い合っている。
何事かと足を止め様子を伺う人も何人かいるような恥ずかしい内容なのだが、目の前で男性二人が怒鳴りあっているのを見ているのは恐怖でしかない。
二人の知らないうちに顔面蒼白となりガタガタと震えていた藍里は、限界を感じる前に意識を手放した。
「先輩の……?」
「吉嶺さん、こちら汐見さんと言って、主人と入江さんの後輩さんです……」
「ああ……入江に聞いたことがあります。永瀬さんを崇拝してる物好きな奴がいるって」
「物好き?」
吉嶺の言葉に汐見はピクッと反応して立ち上がった。
一瞬で不穏な空気になった気がして藍里がおろおろしていると、吉嶺が挑発するように鼻で笑った。
「だってそうでしょう?エリートだと一目置かれる特殊班の中でも特に永瀬さんに憧れるなんて……見る目がない」
「は?あんたに何が分かるんだよ。先輩のストイックさや機敏な動き、任務の時の真剣な眼差しとか沈着冷静さを知らないだろ」
「知らないし、知りたくもないね。俺の運命の人である藍里さんと俺が出会う前に、図々しくも結婚していた奴のことなんて知りたくない!」
「なんだそれ、完全なる横恋慕な上に醜い嫉妬じゃないか!」
「何とでも言え!!」
吉嶺の完全なる開き直りに、汐見が引くどころか見事に反論している。
いつの間にか吉嶺は藍里の可愛らしさを、汐見は智大の格好良さを怒鳴るように言い合っている。
何事かと足を止め様子を伺う人も何人かいるような恥ずかしい内容なのだが、目の前で男性二人が怒鳴りあっているのを見ているのは恐怖でしかない。
二人の知らないうちに顔面蒼白となりガタガタと震えていた藍里は、限界を感じる前に意識を手放した。



