寝室のベッドに座り、パタッと後ろに倒れて仰向けになると天井を見上げた。
けれどすぐにお腹の重みでその体勢が辛くなり、ころんと横を向く。
朝の診察で見た赤ちゃんの顔を思いだし微笑んでいたら、寝室のドアが開いて智大が顔を出した。
「あ……お帰りなさい。汐見さんは?」
「帰った。疲れたのか?」
近づいてきた智大がベッドに座り、横になったままの藍里の髪をそっと撫でた。
心地好さに目を細め、ゆるゆると首を振ると、大丈夫。と言って起き上がった。
「これ、汐見が藍里にって」
「え……?」
そう言って差し出してきたのは、さっき汐見が持っていた紙袋。
中には可愛く包装された箱が入っていて、何だろうと首を傾げた。
「この前の詫びだそうだ」
「お詫び?」
「失礼な言動をした自覚はあるし、それを申し訳なく思っている。でも顔を見ればまた失礼なことを言う自信があるから。と、俺に渡してきた」
「……」
そっと紙袋から箱を取り出し、包装を綺麗に外せば、そこには包装紙と同じような可愛らしい黄色い新生児用の肌着が入っていた。
「可愛い……!」
「認めてないけれど、おめでたいことには変わりないから。だから、おめでとうございます。だとさ。
あいつも良い奴なんだけど、素直じゃないからな」
素直になれなくて冷たい態度や言葉を使ってしまうなんて、まるで誰かさんのようだと藍里はクスクスと笑った。
「大丈夫、汐見さんより良い人だけど素直じゃない人知ってるから」
そう言いながら悪戯に微笑めば、智大はばつが悪そうにそっぽを向いて、頬を人差し指で掻いた。
そんな様子が可笑しくて、藍里はさらに肩を揺らして笑う。
そっと入江がくれた小さな肌着を撫でて、わんぱくになりつつあるまだ見ぬ小さな存在を思って藍里はゆっくり目を閉じた。
けれどすぐにお腹の重みでその体勢が辛くなり、ころんと横を向く。
朝の診察で見た赤ちゃんの顔を思いだし微笑んでいたら、寝室のドアが開いて智大が顔を出した。
「あ……お帰りなさい。汐見さんは?」
「帰った。疲れたのか?」
近づいてきた智大がベッドに座り、横になったままの藍里の髪をそっと撫でた。
心地好さに目を細め、ゆるゆると首を振ると、大丈夫。と言って起き上がった。
「これ、汐見が藍里にって」
「え……?」
そう言って差し出してきたのは、さっき汐見が持っていた紙袋。
中には可愛く包装された箱が入っていて、何だろうと首を傾げた。
「この前の詫びだそうだ」
「お詫び?」
「失礼な言動をした自覚はあるし、それを申し訳なく思っている。でも顔を見ればまた失礼なことを言う自信があるから。と、俺に渡してきた」
「……」
そっと紙袋から箱を取り出し、包装を綺麗に外せば、そこには包装紙と同じような可愛らしい黄色い新生児用の肌着が入っていた。
「可愛い……!」
「認めてないけれど、おめでたいことには変わりないから。だから、おめでとうございます。だとさ。
あいつも良い奴なんだけど、素直じゃないからな」
素直になれなくて冷たい態度や言葉を使ってしまうなんて、まるで誰かさんのようだと藍里はクスクスと笑った。
「大丈夫、汐見さんより良い人だけど素直じゃない人知ってるから」
そう言いながら悪戯に微笑めば、智大はばつが悪そうにそっぽを向いて、頬を人差し指で掻いた。
そんな様子が可笑しくて、藍里はさらに肩を揺らして笑う。
そっと入江がくれた小さな肌着を撫でて、わんぱくになりつつあるまだ見ぬ小さな存在を思って藍里はゆっくり目を閉じた。



