ピンポーンとインターホンの音がして、藍里は恐る恐るモニターを確認する。
そこには智大と室山、その奥にも誰かがいて恐らく入江だろうと判断すると、藍里はホッと胸を撫で下ろして玄関へと向かった。
「お帰りなさい。えっと……いらっしゃいませ……?」
ドアを少しだけ開き若干怯えながら外を見ると、智大が苦笑いをして立っていた。
満面の笑顔で大量のノンアルコールビールが入った袋を持った室山と、両手に大量の惣菜が入った袋を持った申し訳なさそうな顔をした入江を順番に見て、藍里はその膨大な量に顔を引きつらせてしまった。
「こんばんは、嫁さん。懐妊おめでとうございます」
「あ、ありがとうございます……」
「おめでとうございます。それと、家に押し掛けてしまって本当にすみません。その……身動きとるのも大変でしょうに……」
「い、いえ……大丈夫、です……」
入江の申し訳なさそうな視線は自然と大きくなったお腹へと向かう。
藍里は慌てて首を振ると、二人のその後ろにもう一人誰かいるのに気付き、無意識にドアの内側に隠れた。
「藍里?」
「あの……その……」
見知らぬ男性がいて、藍里は戸惑いながら智大を見た。
藍里が怯えているのに気付いた智大は後ろを振り返り、ああ……。と小さく声を漏らした。
「一人、どうしてもついてきたいってしつこくてな……連絡できなくて悪かった。おい、お前も挨拶しろ。無理矢理ついてきたんだろ」
智大に声をかけられ、入江達の後ろから一歩前に出たのは特殊班の人達と比べれば細身に見える入江よりも、もっと細身の男性だった。
藍里のことを真っ直ぐ見ることなく、どこか視線を反らしたままその男性は何故か不本意そうに口を開いた。
「……汐見です」
「奥さん、汐見は班の中でも一番の新人なんです。永瀬先輩の家に行くと聞いてどうしても来たいって駄々をこねまして……大丈夫ですか?」
無理そうなら今すぐ帰らせます。と続けた入江に藍里は慌てて首を振り、一歩後ろに下がると上がるように促した。
藍里の前を三人が通り、最後に汐見が通りすぎる直前、何故か恨めしそうな視線を投げ掛けられ藍里はゾクッと背筋を凍らせた。
そこには智大と室山、その奥にも誰かがいて恐らく入江だろうと判断すると、藍里はホッと胸を撫で下ろして玄関へと向かった。
「お帰りなさい。えっと……いらっしゃいませ……?」
ドアを少しだけ開き若干怯えながら外を見ると、智大が苦笑いをして立っていた。
満面の笑顔で大量のノンアルコールビールが入った袋を持った室山と、両手に大量の惣菜が入った袋を持った申し訳なさそうな顔をした入江を順番に見て、藍里はその膨大な量に顔を引きつらせてしまった。
「こんばんは、嫁さん。懐妊おめでとうございます」
「あ、ありがとうございます……」
「おめでとうございます。それと、家に押し掛けてしまって本当にすみません。その……身動きとるのも大変でしょうに……」
「い、いえ……大丈夫、です……」
入江の申し訳なさそうな視線は自然と大きくなったお腹へと向かう。
藍里は慌てて首を振ると、二人のその後ろにもう一人誰かいるのに気付き、無意識にドアの内側に隠れた。
「藍里?」
「あの……その……」
見知らぬ男性がいて、藍里は戸惑いながら智大を見た。
藍里が怯えているのに気付いた智大は後ろを振り返り、ああ……。と小さく声を漏らした。
「一人、どうしてもついてきたいってしつこくてな……連絡できなくて悪かった。おい、お前も挨拶しろ。無理矢理ついてきたんだろ」
智大に声をかけられ、入江達の後ろから一歩前に出たのは特殊班の人達と比べれば細身に見える入江よりも、もっと細身の男性だった。
藍里のことを真っ直ぐ見ることなく、どこか視線を反らしたままその男性は何故か不本意そうに口を開いた。
「……汐見です」
「奥さん、汐見は班の中でも一番の新人なんです。永瀬先輩の家に行くと聞いてどうしても来たいって駄々をこねまして……大丈夫ですか?」
無理そうなら今すぐ帰らせます。と続けた入江に藍里は慌てて首を振り、一歩後ろに下がると上がるように促した。
藍里の前を三人が通り、最後に汐見が通りすぎる直前、何故か恨めしそうな視線を投げ掛けられ藍里はゾクッと背筋を凍らせた。



