その後、二人で近くのスーパーに買い物に出掛けたが、お腹の重みに慣れずに弱冠疲労し始めた藍里は、智大に言われて外のベンチで一人休憩していた。
空を見上げながらそっとお腹を撫でていると、ポコンと動いたのに気付いた。
一度動いたのに気付ければ、その後も元気に動いているのが分かるようになった。
それなのに智大が触れると不思議と動かなくなってしまい、未だに胎動を感じることが出来ていないので少し残念そうにしていた。
「待たせたか?」
「あ、お帰りなさい」
たくさんの食材を買ってきたらしい智大は、片手に大きな袋を下げて、ベンチの後ろから藍里を覗きこんだ。
「お買い物ありがとう」
首だけを捻り小声でお礼を言えば、智大は怪訝な表情をした。
口に人差し指を当ててシーッと言ってから、お腹のポコポコ動く辺りを指差した。
「今動いてるの。大きな声で話したら、動かなくなっちゃう気がして……」
そう言えば、智大がベンチを回って藍里の正面に立った。
そっと智大の大きな手を取りお腹に乗せると、ポコンッと一際大きく動いて智大が目を見開いた。
「動いてるな……」
「うん、元気そうだね」
「初めて触れた」
「そうだね」
嬉しそうに微笑む智大の表情を見て、藍里も柔らかく微笑む。
赤ちゃんが動かなくなるまで胎動を堪能した智大がやがて藍里の手を引くと、ゆっくり立ち上がらされた。
二人で手を繋いでゆっくり歩きながら帰路につく。
普段より歩みの遅くなった藍里に合わせて歩く智大の優しさが嬉しくて、藍里は腕にぎゅっと抱きつくのだった。
空を見上げながらそっとお腹を撫でていると、ポコンと動いたのに気付いた。
一度動いたのに気付ければ、その後も元気に動いているのが分かるようになった。
それなのに智大が触れると不思議と動かなくなってしまい、未だに胎動を感じることが出来ていないので少し残念そうにしていた。
「待たせたか?」
「あ、お帰りなさい」
たくさんの食材を買ってきたらしい智大は、片手に大きな袋を下げて、ベンチの後ろから藍里を覗きこんだ。
「お買い物ありがとう」
首だけを捻り小声でお礼を言えば、智大は怪訝な表情をした。
口に人差し指を当ててシーッと言ってから、お腹のポコポコ動く辺りを指差した。
「今動いてるの。大きな声で話したら、動かなくなっちゃう気がして……」
そう言えば、智大がベンチを回って藍里の正面に立った。
そっと智大の大きな手を取りお腹に乗せると、ポコンッと一際大きく動いて智大が目を見開いた。
「動いてるな……」
「うん、元気そうだね」
「初めて触れた」
「そうだね」
嬉しそうに微笑む智大の表情を見て、藍里も柔らかく微笑む。
赤ちゃんが動かなくなるまで胎動を堪能した智大がやがて藍里の手を引くと、ゆっくり立ち上がらされた。
二人で手を繋いでゆっくり歩きながら帰路につく。
普段より歩みの遅くなった藍里に合わせて歩く智大の優しさが嬉しくて、藍里は腕にぎゅっと抱きつくのだった。



