「よいしょ……っと……ふぅ……」
天気の良いある日に洗濯物を干そうと二階にカゴを運び、お腹の重さと洗濯物の重さに一息ついていると、ひょいっと横からカゴを取られて藍里は数回瞬きをした。
「重い物を持つなと何度言えば分かる」
「あ……」
冷たく感じる言い方で叱られた藍里は一瞬肩を落とすが、智大の瞳が心配そうに揺らいでいるのを見てすぐに気を取り戻した。
そのままベランダに運ぶ智大を追うように少し小走りになると、また叱られてしまった。
「走るな。バランスを崩して転けたらどうする」
「大丈夫、そこまでドジじゃないから」
「普段と違って腹が重いだろ。それだけで十分危険だ」
「そんな大袈裟な……きゃっ!」
智大の過保護っぷりに苦笑していると、藍里はさっき大丈夫だと宣言したのにも関わらず何もないところで躓いてしまった。
お腹の重みで当然正面に倒れそうになり強く目を瞑ると、トンッと固くて温かい物に当たりそのまま体を包まれた。
「ほら、だから言っただろ」
呆れた物言いで、けれど焦って抱き止めたと分かる強さで抱きしめられると藍里は自分の過信を恥ずかしく思ってしまった。
「ご、ごめんなさい……ありがとう……。もう絶対走らないようにする」
「そうしてくれ」
腕が離れ、大好きな温もりも消えてしまって残念に思っていると、智大はそのままベランダに出て洗濯物を干し始めてしまった。
藍里がそれくらい自分がやるとどれだけ言っても智大は、別にいい。座ってろ。と言って手際良く干していってしまった。
天気の良いある日に洗濯物を干そうと二階にカゴを運び、お腹の重さと洗濯物の重さに一息ついていると、ひょいっと横からカゴを取られて藍里は数回瞬きをした。
「重い物を持つなと何度言えば分かる」
「あ……」
冷たく感じる言い方で叱られた藍里は一瞬肩を落とすが、智大の瞳が心配そうに揺らいでいるのを見てすぐに気を取り戻した。
そのままベランダに運ぶ智大を追うように少し小走りになると、また叱られてしまった。
「走るな。バランスを崩して転けたらどうする」
「大丈夫、そこまでドジじゃないから」
「普段と違って腹が重いだろ。それだけで十分危険だ」
「そんな大袈裟な……きゃっ!」
智大の過保護っぷりに苦笑していると、藍里はさっき大丈夫だと宣言したのにも関わらず何もないところで躓いてしまった。
お腹の重みで当然正面に倒れそうになり強く目を瞑ると、トンッと固くて温かい物に当たりそのまま体を包まれた。
「ほら、だから言っただろ」
呆れた物言いで、けれど焦って抱き止めたと分かる強さで抱きしめられると藍里は自分の過信を恥ずかしく思ってしまった。
「ご、ごめんなさい……ありがとう……。もう絶対走らないようにする」
「そうしてくれ」
腕が離れ、大好きな温もりも消えてしまって残念に思っていると、智大はそのままベランダに出て洗濯物を干し始めてしまった。
藍里がそれくらい自分がやるとどれだけ言っても智大は、別にいい。座ってろ。と言って手際良く干していってしまった。



