すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~

「こんにちは、ベビーベッドをお悩みですか?」

「あ……いえ、ベビーベッドと言いますか、全部……?初めてのことで、何を買ったらいいか分からなくて……」

「確かに最初は浮かれてあれもこれもと買ってしまって、後からこれはいらなかったとか、少ししか使わなかったとか多いですものね」

「いらなかった、ですか?」

いらないものなんてあるのかと思っていると店員は、先程二人で会話していたベビーベッドが良い例だと言う。
買ってみたはいいが、同じ布団で添い寝ばかりして結局使わなかったりとか、ベビーベッド自体が思ったより大きくて、部屋が狭くなって買って後悔したとかもよくある話らしい。

そんな店員の話はタメになり、藍里は真剣に話を聞きながら頷いていると一冊の冊子を渡された。

「これに産前、産後のママさんが必要な物や赤ちゃんに必要な物、場合に応じて買ったらいい物、無くてもいい物が載ってますからゆっくり考えてみるのも良いですよ」

「わ……助かります」

「……ここだけの話、すぐに赤ちゃんが大きくなって使えなくなる物も多いですから……嫌でなければ、リサイクルショップやレンタルを利用するのも一つの手です。
……私がこんなこと言ったら怒られますけどね」

「それは盲点でした。心に止めておきます」

今何ヵ月なんですか?、六ヶ月の後半辺りです。と暫く話、今買っておくべき物を教えてもらって店員と別れると、口元に笑みを浮かべている智大に気付いて首を傾げた。