ワクワクし過ぎて、まるで遠足の前日の子供みたいに中々眠れない夜を過ごした次の日。
お昼過ぎにインターホンの音が鳴り、藍里はモニターを確認するや否や急ぎ足で玄関に向かった。
「お帰りなさい!」
「ただいま」
ドアを開けるとそこには智大がいて、小さな箱を手渡してきた。
お礼を言って受け取ると、その箱は藍里のお気に入りのチーズケーキを売っているお店の物で、中身もおそらくそのチーズケーキだと察すると藍里は期待に頬を緩ませた。
「俺が帰ってきたことよりも、そっちの箱の方が嬉しそうだな?」
「そ、そんなことないよ!」
「冗談だ」
ふっと笑って家の中に入っていく智大に慌ててついていきながら、藍里は智大の大きな背中を静かに見つめた。
鍵を持っているはずの智大が帰ってくる時にインターホンを押すようになったのは大分前から。
ストーカー事件の後から藍里がインターホンが鳴る度に怯えているのに気付いた智大は、自分が帰る時にはほぼ必ずインターホンを押して藍里自身の手でドアを開けさせるようになった。
恐怖に打ち勝ちドアを開けた藍里に、智大は毎回ケーキや小さな花束を渡したり、店が閉まっている時には何か藍里が喜ぶような写真を撮ってきて見せてくれたりする。
多くを語らない智大の突然のこの行動に最初は戸惑い、インターホンが鳴る度に恐怖で動けなくなることも多数あったけれど、今となってはインターホンが鳴ることが楽しみになってしまった。
「……ありがとう」
心からの感謝の言葉は小さすぎて聞こえないと思ったが、顔だけ振り返って微かに微笑んだ智大を見て、ちゃんと伝わったのだと藍里は笑顔を浮かべた。
お昼過ぎにインターホンの音が鳴り、藍里はモニターを確認するや否や急ぎ足で玄関に向かった。
「お帰りなさい!」
「ただいま」
ドアを開けるとそこには智大がいて、小さな箱を手渡してきた。
お礼を言って受け取ると、その箱は藍里のお気に入りのチーズケーキを売っているお店の物で、中身もおそらくそのチーズケーキだと察すると藍里は期待に頬を緩ませた。
「俺が帰ってきたことよりも、そっちの箱の方が嬉しそうだな?」
「そ、そんなことないよ!」
「冗談だ」
ふっと笑って家の中に入っていく智大に慌ててついていきながら、藍里は智大の大きな背中を静かに見つめた。
鍵を持っているはずの智大が帰ってくる時にインターホンを押すようになったのは大分前から。
ストーカー事件の後から藍里がインターホンが鳴る度に怯えているのに気付いた智大は、自分が帰る時にはほぼ必ずインターホンを押して藍里自身の手でドアを開けさせるようになった。
恐怖に打ち勝ちドアを開けた藍里に、智大は毎回ケーキや小さな花束を渡したり、店が閉まっている時には何か藍里が喜ぶような写真を撮ってきて見せてくれたりする。
多くを語らない智大の突然のこの行動に最初は戸惑い、インターホンが鳴る度に恐怖で動けなくなることも多数あったけれど、今となってはインターホンが鳴ることが楽しみになってしまった。
「……ありがとう」
心からの感謝の言葉は小さすぎて聞こえないと思ったが、顔だけ振り返って微かに微笑んだ智大を見て、ちゃんと伝わったのだと藍里は笑顔を浮かべた。



