すれ違いお見合い結婚～相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~

「やだっ……何で……やだ……！」

混乱して頭を両手で抱え込みながら踞り、首を何度も横に振っていると智大が目の前にしゃがみこみ強く肩を掴んだ。

「藍里、落ち着け。こいつは吉嶺とその同僚だ」

「吉、嶺……さん……？」

「そうです、吉嶺です。怖がらなくて大丈夫ですよ」

「お久しぶりです、松浦です。朝から失礼します」

「あ……」

被っていた警帽を取り、顔を見せたのは確かに吉嶺と松浦だった。
藍里は目を大きく開けると次の瞬間には脱力してしまい、震える体を智大に支えられた。

「ごめん、なさい……私……」

「気にしません。その様子だと、昨日現れたストーカーは、我々のように警察の格好をしていたんですね？」

「一昨日ショッピングモールで付き纏ってた奴も似た服を着ていたからな……間違いないな？」

松浦と智大に聞かれて藍里は頷いた。
けれどショッピングモールの事を話題に出した智大に藍里は首を傾げた。