「でも、それは頑張って智君に相談しようと思ってるの。時間がかかるかもしれないけど、ちゃんと自分の口から言いたい」

『そっか……。なら私は、藍里がちゃんと永瀬に相談できるのを応援してる!』

「うん、ありがとう」

『どういたしまして!でも、どんな悩みごとか知らないけど、出来るだけ早く相談しなさいよ?』

手遅れにならないうちに。と言われ、藍里はチラッとテレビ台の引き出しを見る。
今日智大は朝からの勤務なので夜には帰ってくるはずだと、壁に掛けられた時計を見て今日にでも智大に封筒や最近感じる絡みつくような視線のことを話そうと決意した。

千栄との電話が終わり、スマホを手に持ったままソファに横になった。
どう切り出そうか、何て話そうかと考えていると、再びスマホが着信を告げて画面を見た。

「知らない番号……?」

基本的にスマホに登録されていない電話を取ることがない藍里は、知らない番号からの電話に、誰からだろう。と緊張していた。

間違い電話か宅配か、或いはセールスか……。

やがて留守番電話に切り替わりメッセージの録音に入ったが、相手は暫く無言でいる。
じっとスマホを見つめていた藍里はやがて入ったメッセージを聞いて戦慄した。

ーーいつでも僕は君を見てる。必ず手に入れて見せるからねーー