「お……おかしく、ない……」
「なら、気にするな。俺が藍里に似合う服をプレゼントしたかっただけだから」
そう前を向いて早口で話す智大の耳は微かに赤くなっていて、それに気付いた藍里は胸がムズムズするのを感じると同時に智大の手を軽く引っ張った。
「ん?」
「あ、あのね……?似合う、かな?」
身長差のせいで上目使いになり、恥ずかしさのあまり頬も紅潮している。
今までなら恥ずかしくて、と言うより恐怖で自分からこんなことを聞けなかったのだけれど、思いきって聞いてみると智大は動揺を隠すように視線をさ迷わせ、やがてゴクッと唾を飲み込むと身を屈めて藍里の耳元に口を近づけた。
「……誰にも見せたくないくらい、似合ってる」
「っ……!!」
「ほら、行くぞ」
すでに調子を取り戻した智大の手に引かれて、藍里はドキドキと暴れる心臓を押さえるように左手でぎゅっと胸元の服を掴んだ。
そんな二人の後ろ姿を、モールの柱の影から一人の男性が嫉妬に狂った瞳で睨み付け、歯噛みしているなど今の藍里には知る由もなかった。
「なら、気にするな。俺が藍里に似合う服をプレゼントしたかっただけだから」
そう前を向いて早口で話す智大の耳は微かに赤くなっていて、それに気付いた藍里は胸がムズムズするのを感じると同時に智大の手を軽く引っ張った。
「ん?」
「あ、あのね……?似合う、かな?」
身長差のせいで上目使いになり、恥ずかしさのあまり頬も紅潮している。
今までなら恥ずかしくて、と言うより恐怖で自分からこんなことを聞けなかったのだけれど、思いきって聞いてみると智大は動揺を隠すように視線をさ迷わせ、やがてゴクッと唾を飲み込むと身を屈めて藍里の耳元に口を近づけた。
「……誰にも見せたくないくらい、似合ってる」
「っ……!!」
「ほら、行くぞ」
すでに調子を取り戻した智大の手に引かれて、藍里はドキドキと暴れる心臓を押さえるように左手でぎゅっと胸元の服を掴んだ。
そんな二人の後ろ姿を、モールの柱の影から一人の男性が嫉妬に狂った瞳で睨み付け、歯噛みしているなど今の藍里には知る由もなかった。



