「いいね、あいちゃん。仮にも警察だから不法侵入とかはしないだろうけど、念のために今日はインターホンが鳴っても絶対に出ないで。
戸締まりもしてシャッターもして」
分かった?と子供に初めて留守番させる時のような言葉を並べる圭介に何度か頷くと、圭介は眉を下げた。
「不器用な弟といい、盲目的な警官といい……あいちゃんに好意を持つ男は癖が強すぎるね」
「え……っと……」
確かに、そのラインナップだとどうしようもない人にしか好かれていない気がした。
答えに困っていると、圭介が二度ほど藍里の頭を撫でたのでビクッと反応してしまい、恐る恐る見上げると、圭介は目を細めて慈しむような眼差しを向けていた。
「大丈夫。何があっても智大があいちゃんを守ってくれるよ。もちろん、僕も出来る限り守るから」
大事な義妹だからね。と言われて藍里はほんの少し微笑んだ。
用事があるとのことで、すぐに帰ろうとした圭介を玄関前まで見送っていると、圭介がポストに入った何かに気付いて手に取った。
「あいちゃん、何か入ってたよ」
「あ……ありが……っ!!」
受け取ろうとした“それ”は見間違うことのない例の真っ白な封筒。
思わず息を飲んだ藍里に圭介は不思議そうな顔をするが、心配させないために無理に笑顔を作り、震える手で封筒を受け取った。
今日はきっと、久しぶりに睡眠薬を飲んだとしても眠れそうにない。
そう嫌な確信を持って、藍里は玄関の鍵を閉めたのだった。
戸締まりもしてシャッターもして」
分かった?と子供に初めて留守番させる時のような言葉を並べる圭介に何度か頷くと、圭介は眉を下げた。
「不器用な弟といい、盲目的な警官といい……あいちゃんに好意を持つ男は癖が強すぎるね」
「え……っと……」
確かに、そのラインナップだとどうしようもない人にしか好かれていない気がした。
答えに困っていると、圭介が二度ほど藍里の頭を撫でたのでビクッと反応してしまい、恐る恐る見上げると、圭介は目を細めて慈しむような眼差しを向けていた。
「大丈夫。何があっても智大があいちゃんを守ってくれるよ。もちろん、僕も出来る限り守るから」
大事な義妹だからね。と言われて藍里はほんの少し微笑んだ。
用事があるとのことで、すぐに帰ろうとした圭介を玄関前まで見送っていると、圭介がポストに入った何かに気付いて手に取った。
「あいちゃん、何か入ってたよ」
「あ……ありが……っ!!」
受け取ろうとした“それ”は見間違うことのない例の真っ白な封筒。
思わず息を飲んだ藍里に圭介は不思議そうな顔をするが、心配させないために無理に笑顔を作り、震える手で封筒を受け取った。
今日はきっと、久しぶりに睡眠薬を飲んだとしても眠れそうにない。
そう嫌な確信を持って、藍里は玄関の鍵を閉めたのだった。



