「その節は……ありがとうございました……」
「いえいえ、結局途中で見失ってしまって危険な目に合わせてしまったので……いつかちゃんと謝りたいと思ってたんです」
偶然会えて良かったです。と爽やかに笑う入江と座っているのは以前圭介と座ったベンチの端と端。
藍里と入江の距離は近すぎず遠すぎず、それが藍里の男性と話すギリギリのパーソナルスペースだった。
智大には大分怖がらずに話せるようになったし、触れられても震えることは少なくなった。
だからこそ男性恐怖症も大分マシになったのではと思っていたのだけれど、とんだ思い違いだったようで初めてまともに話す入江の事が怖くて仕方なかった。
「えーと……やっぱり僕のこと怖がってます?」
「そっ……そんなことは……」
「いいんです、気にしないでください。ただ僕も一応警察の端くれですし永瀬先輩の後輩ですから、安全面に関してだけは保証させてください」
両手に拳を作りながら言ってくる入江に藍里は躊躇いがちに頷いた。
すると入江は安心したのか、良かった。と笑った。
着やせするタイプなのか入江は体格の良い智大と違い、どちらかと言えば圭介のように細く見えるしコロコロ表情が変わる。
話上手で藍里が話さなくても面白おかしい話をしてくれるので藍里は思わず感心してしまった。
きっと智大とは違った意味でモテるのだろうなとは思ったのだけれど、入江に対する恐怖が無くなることは最後まで無かった。
「いえいえ、結局途中で見失ってしまって危険な目に合わせてしまったので……いつかちゃんと謝りたいと思ってたんです」
偶然会えて良かったです。と爽やかに笑う入江と座っているのは以前圭介と座ったベンチの端と端。
藍里と入江の距離は近すぎず遠すぎず、それが藍里の男性と話すギリギリのパーソナルスペースだった。
智大には大分怖がらずに話せるようになったし、触れられても震えることは少なくなった。
だからこそ男性恐怖症も大分マシになったのではと思っていたのだけれど、とんだ思い違いだったようで初めてまともに話す入江の事が怖くて仕方なかった。
「えーと……やっぱり僕のこと怖がってます?」
「そっ……そんなことは……」
「いいんです、気にしないでください。ただ僕も一応警察の端くれですし永瀬先輩の後輩ですから、安全面に関してだけは保証させてください」
両手に拳を作りながら言ってくる入江に藍里は躊躇いがちに頷いた。
すると入江は安心したのか、良かった。と笑った。
着やせするタイプなのか入江は体格の良い智大と違い、どちらかと言えば圭介のように細く見えるしコロコロ表情が変わる。
話上手で藍里が話さなくても面白おかしい話をしてくれるので藍里は思わず感心してしまった。
きっと智大とは違った意味でモテるのだろうなとは思ったのだけれど、入江に対する恐怖が無くなることは最後まで無かった。



