「莉桜、ちょっぴりかじってもいい?」

青白く光る満月に照らされて、藍と莉桜は二人の住んでいる、人間界の屋敷で日本酒を飲んでいた。

「…藍…。酒も飲んで、血まで飲むのかよ?
俺にも飲ませろよ?」

莉桜は藍のお願いを、
自分にも飲ませる事でよしとした。

満面の笑みで藍が莉桜に近くによる。

「やった!!いいよ。
んじゃ、いっただきまぁす」

藍は莉桜の首筋をペロリと舐め、吸血鬼ならではの鋭い牙を突き刺し血を堪能する。

「……っ…ジュルっ…んっ…ゴクっ…。っぷは〜、おいしかった。ごちそうさまぁ」

藍はペロリと、唇のまわりを舐めた。

「おまえ…飲み過ぎだ。ったく、まぁいいけど。さて、いただき〜」

莉桜も藍同様首筋をペロリと舐めた。

「…っん…」

藍がのけ反る。

「…まだ何もしてないんだけど…」

莉桜がニヤリと笑う。

「首筋弱いの知ってるくせにっ。バカ莉桜!!」

藍がベーと舌を突き出す。それに構わず莉桜はプツリと、牙をたて血を啜る。

「はぁ〜旨かった〜」

莉桜は藍に向かって笑う。
「あっそ。てか、あんただって人の事言えないくらい飲んでんじゃん!!」

「うっせえなぁ。細かい事は気にするなって」

「はぁ!?意味解んないし」


二人がギャンギャン騒いでいると、チャイムが鳴った。時計を見ると時刻は12時を廻っていた。