「ありがとう。じゃあ、最初はシャンね。座って?」

碧はシャンを自分が座っていた場所に座らせた。

「碧様と結希様は仲がよろしいのですね。羨ましい限りです」

「ただの腐れ縁だよ。家が隣同士で誕生日も一日違いなの」

碧はシャンの髪を器用に編み込みながら結いあげていく。すると、長い髪はてっぺんで一つに括られ蒼い玉が連なる簪を挿した。

「出来た!!うん。我ながら素晴らしい出来だと思う」

「ありがとうございます。編み込みがされてれのですね。凄いです!さて、お次は碧様の番です。お掛けになって下さい」

シャンは手鏡を見て感激すると、次は碧を座らせ髪を結いだした。
まず、髪をつむじで一つに括り、髪をゴムの回りにまき、ゴムを隠す。そして、最後、髪飾りに碧の蝶の簪を挿した。シンプルだが、とても似合っていた。


二人は隣り合わせに座っていた……。


「シャン、リュウに惚れてるでしょう?」

「…っ…」

碧の言葉にシャンは顔を一瞬で朱くした。

「やっぱり…自分の気持ち伝えないの…?」

「できませんっ!!私とリュウはっ…」

シャンは言葉につまってしまった。

「話して?私聞いてあげるコトくらいできるよ」

「ありがとうございます。…私とリュウは幼なじみでした。ですが、私の家は父と母が殺され没落しました。ですから、今はラン様に仕えている身。最早リュウとは格が違うのです」

シャンは簡単に碧に教える。

「…リュウと幼なじみで、今は格が違うってコトは、シャンって純血!?」

「はい、そうです」

「もしかして、藍と莉桜とも幼なじみだったりする?」

「はい」



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