それならいっそのこと、私が先に男を見つけたいけれど。
優翔以上の人が見つからない。
ずっと同じ家に住んでおきながら、私の気持ちは依然として彼に傾いているのだ。
それも想いはひどくなるばかりで。
「……そろそろ行こう」
うじうじしていたって何も変わらない。
素直になりたいけれど、どうすればいいのかわからないのだ。
「あっ、やっと出てきた。
遅い着替えだね、やっぱり俺の手助けいった?」
「……っ、子供じゃあるまいし」
子供扱いしないで。
どうせなら女としてみてほしい。
もちろんそれは叶わない夢。
「そんなのわかってるよ。
でも鈴華は自立するのが早いね」
「は?」
「もっと俺を頼ればいいのに」
それを子供として扱っているというのだ。
同い年のくせに。



