女である私がそのような地位につけるわけない。
戦闘能力はある程度鍛えられているけれど、やはり男と力の差があるだろうと思う。
ただでさえ優翔には一切敵わないのだ。
「……はぁ」
なんだかどんどん優翔がこの世界の先を行き、置いていかれる気分になる。
そのうち優翔は自分の好きになった相手と付き合ったり、結婚するのだろう。
何故なら彼のお母さんは“普通の人”である。
つまりごく一般的な家庭で育ち、学生時代に彼のお父さんと出会ったことにより恋に落ちてこの世界に飛び込んできたのだ。
優翔もいつかそうなるかもしれない。
今だって意中の相手がいる場合だってあるのだ。
私に対してはいつもあんなんだし、幼なじみとしてしか見られていないのはわかる。
どうやら彼は私を甘やかせたいらしかった。



