結局優翔が来るまで横になっていると、ノック音が聞こえてきて。
パッと起き上がり、返事をする。
「鈴華、入るね」
今の声で相手が優翔だとわかり、思わず肩に力が入ってしまった。
ゆっくりと開けられるドアから姿を現したのは、他でもない優翔で。
私と同じ浴衣姿の彼はやっぱり大人びていた。
色気すら感じられてドキドキする。
男の人だなぁと思わされるのだ。
「ねぇ、本当に同じ部屋にしてもらうの?」
なんとなく優翔と話せる話題が見つからなかったため、聞いてみる。
すると彼は平気で私の隣に腰をおろすなり、ふっと小さく笑った。
「怖くなった?」
「……っ」
彼の瞳が私を捉える。
やっぱりどこか危険さを醸し出していて。



