同時にどんどん置いていかれている気分になる。
優翔だけが成長していき、私はまだまだ子供のように思えてならない。
なんだか悔しいというより、不安に思えてきて。
また拓哉さんにぎゅっと抱きつき、胸元に顔を埋める。
「……バカだな」
その時ボソッとお父さんが何かを呟いた気がしたけれど、うまく聞き取れず。
もちろん聞き返すこともせずに拓哉さんに甘えていたら。
「鈴華」
優翔が静かな声で私を呼んだ。
その声にどこか圧を感じられ、ビクッと肩が跳ねる。
「優翔、鈴華を怖がらせたらダメだよ」
拓哉さんもそれを感じ取ったらしく、私を安心させるためか腰に手をまわし抱きしめ返してくれた。
それは嬉しいけれど、少し優翔のほうを見るのが怖くなる。



