言いにくそうにしている私にズイズイと顔を近付けて迫ってくる龍くんに観念して正直に答えた。

「お、同じバスローブなのに着る人が違うとこんなにも色気があるんだなって思ったの……」

最後は尻すぼみ気味になったが答えただけ善しとしてほしい。

納得したのかは定かではないが、そのまま何か発言するでもなくテーブルの上のサンドイッチに手を伸ばし食べだした。

「り、龍くん?」

恐る恐る声を掛け、顔を覗き込むと真っ赤になった龍くんがいた。

「えっと……」

「うるせぇ、何も言うな」

そう言ってソッポを向いてサンドイッチを食べ進める。

食べ終わると龍くんはさっと立ち上がって帰ってきたときに鞄を置いたダイニングテーブルへ向かった。

中をゴソゴソ漁り、また私の隣に戻ってきた。