瀬那「魅力がないから。」

...オーマイガー。
み、魅力がないって...
それって...絶望的って事では
ないですかい?

崩れ落ちる私を気にする事なく
先輩は私の隣を素通りして行った。

匡貴「どうした?雫。
また、こっぴどく鏑木先輩に
振られたか?」

しゃがみ込む匡貴の肩に縋りつく。

雫「匡貴...教えてくれ...い。
魅力ってどうやったら身につくの?」

匡貴「いや、そもそも魅力って
身につけるもんじゃねぇから。
鏑木先輩に振られるのなんて
もう慣れっ子だろ。
今更、何落ち込んでんだよ。」

雫「そうだけど、でも...
ここまで来ると本当に先輩は
私の事なんて好きに
ならないんじゃないのかな?」

匡貴「なるようにしかならないよ。
相手を好きでい続けるのも
嫌いになるのも自分次第。
雫が1番よく分かってんだろ。」

雫「だね。」

匡貴は私の肩をポンっと叩いた。