雫「先輩...覚えててくれたんですか?
てゆーか、勝てなかったのに...
いいんですか?」

瀬那「北見には借りがある。」

雫「そんなもの
貸したつもりはありません。」

瀬那「あの時...
北見がいてくれて良かった。」

あの時とは多分、体育祭の前に
鏑木先輩の悪口を言ってる所を
聞いちゃった時の事だ。

瀬那「俺も人間だから...
血も涙もない奴だと
お前や周りは思ってるかもしれないけど
心無い言葉に、傷付く事はある。
あの時、北見が言ってくれた言葉。
楽しむ事から逃げてるってその通りだった。
勝つ事にこだわって周りの奴ら...
北見の言ってた運動が
苦手な奴らの気持ちまで
考えられなかった。俺が楽しめば
周りも自然と着いてきてくれた。
人の心を動かす方法を北見に教わった。
だから、勝ち負けに関係なく
北見を今日、誘おうと思ってた。」

先輩と出会ってから7ヶ月。
初めて嬉し涙が流れた。
初めて報われた気がした。