先輩手に入れます!


ーいちについてよーい
ーパン

ピストルの音を7回聞くと
いよいよ私の番になった。

スタート位置に立ち呼吸を整える。
こんなにも緊張した100メートル走は
初めてだった。

絶対に1位になりたいって
思ったのは初めてだった。

雫「ふぅ。」

短い息を吐き、真っ直ぐと前を見据える。

龍星「北見ちゃん!頑張れー!」

応援席から聞こえる梶谷先輩の声。
2年生の応援席に目を向けると
梶谷先輩、サッカー部の皆が
立ち上がって手を振ってくれた。

サッカー部「頑張れ!!!」

その隣にいる鏑木先輩は
やっぱり涼し気な顔をしていたけど
先輩もちゃんと見ててくれる。

初めて誰かに応援された。
また、私の胸が熱くなる。