教室に着いた私はロッカーから
体操着を取り出す。
それを手に取った瞬間
涙が溢れ出した。

匡貴「雫。まだ着替えてないのか?
どうしたんだよ。昨日まで
張り切ってたのに。...て、泣いてんのか?」

雫「さっき、先輩にね
頑張れって言われた。
先輩の口から初めて聞いた
肯定の言葉だった。」

匡貴「そっか。」

雫「ねぇ、匡貴。これは...
この涙は...嬉し涙だよね?」

匡貴「雫が今、嬉しいのなら
嬉し涙なんじゃない?」

雫「だね。頑張らなきゃだね、私。
先輩に応援されちゃったもんね。
着替えてくる。匡貴は先に行ってて。」

教室の扉を開け更衣室に向かおうとする
私の背中に向かって匡貴が言った。

匡貴「頑張りすぎるな。
お前はいつも頑張ってるから。」

心強かった。匡貴と同じ学校を
選んで良かったなって
心の底から思った。