着替えを終えた梶谷先輩は 部室を出て行く前に私に ピースサインを見せた。 本当に、梶谷先輩がいて良かった。 梶谷先輩の手から取った おにぎりを食べ終えた鏑木先輩は 随分と苦しそうだった。 そりゃあそうだ。私は知ってる。 鏑木先輩は意外に少食だ。 あの大きさのおにぎりなら きっと1つで充分だったのに... 私のために無理して食べてくれた。 梶谷先輩から奪った手前 食べざるを得なかったんだろう。 苦しそうな顔をしかめる 鏑木先輩にお茶を差し出す。