今朝、私が目を覚ます頃には
2人とも家にはいなかった。
いつも通り、作ったおにぎり。
先輩のための特大おにぎり。

それを入れた保冷バッグと
スクールバッグを
片手に家を出る。

雫「いってきます。」

私がそう言っても、もちろん
誰も返事しない。
家にいてもいなくても。

最後に両親からのいってらっしゃいを
聞いたのはいつだっただろうか。
もうそんな事、思い出せない。
遠い遠い。記憶の向こう側だ。

頬を2度ほど叩き、いつも通り
先輩の事を校門で待った。