私が笑うと先輩も笑う。
先輩と手を繋いで帰る家への
道は憂鬱を吹き飛ばしてくれた。

瀬那「辛くなったら言えよ?
絶対に。俺に言え。」

雫「ならないですよ。
だって私、先輩と付き合えたんですから。
それ以上の幸せを望むなんて
バチが当たります。」

それだけで幸せ。
それだけが今の私には幸せだ。

雫「もうここでいいです。
多分、お父さんとお母さん
喧嘩してると思うから...先輩に
聞かれたくないです。」

瀬那「北見、お前は...」

雫「先輩!また明日学校で!
校門で待ってますから。」

瀬那「...うん。」

ああ、やっぱり私は
この人の事が好きだ。

私と付き合おうって言った先輩の言葉が
本心じゃなかったとしても
例え、同情だとしても...好きだ。

辛いのに。苦しいのに。
どうしても、私は...
この人の事を嫌いにはなれない。