体を離した先輩は私に向かって
手を差し出した。

瀬那「ん。」

雫「何ですか?」

瀬那「手。繋いで帰るんだよ。
お前が断っても送るから。
黙ってお前は送られろ。」

その手を握ると温かい温もりが
私の全身を包み込んだ。
多分、お姉ちゃんが
知りえなかった温もりを。

だから、私は精一杯強がって見せた。
悲しくないよって自分自身に
言い聞かせたくて。

雫「わー、先輩。キャラ変ですね!
めちゃくちゃ、萌えます!
ドSな先輩も良かったですけど
今の先輩も負けず劣らず最高です。」

先輩の手からの温もりが嬉しくて...
でも、心のどこかではお姉ちゃんの死を
忘れたいって気持ちが押し寄せて...
やっぱり今日の私の感情は
ぐちゃぐちゃだった。