でも、最低なのは旦那さんや
両親だけじゃない。
お姉ちゃんが苦しんでた事を
私だけは知っていたのに...
私は何も出来なかった。
両親に話す事も警察に掛け合う事も
お姉ちゃんの旦那さんに
話をしに行く事もしなかった。
お姉ちゃんはずっと私の事を
守ってくれたのに...私が少しでも
嫌な思いをしないように
自分を犠牲にしてくれてたのに
何にも恩返し出来なかった。
雫「病院の先生に聞かなかった?
お姉ちゃんね、ずっと
不妊治療してたんだって。
孫が出来れば2人が変わるかもしれない。
喧嘩しなくなるかもしれないって
辛い治療に耐えてたんだって。
2ヵ月前に赤ちゃん...出来たんだよ。
でも、旦那さんにお腹蹴られて
流産しちゃったんだって。」
あの日、お姉ちゃんは泣いてたのに。
ずっと泣かなかったお姉ちゃんが
嗚咽を漏らして泣いてたのに。
私は何にも言えなかった。



