雫「うん。」

匡貴「鏑木先輩と何かあった?」

雫「ううん。」

これ以上、聞いて欲しくない。
そう思った。

匡貴「そっか。」

私がそう思っていると
匡貴は何も聞かない。
きっと、匡貴には分かるんだ。

やり過ごす事が得意な私を
知っているから、匡貴は
それ以上は何も言っては来なかった。

授業を受け、休み時間になると
鏑木先輩の教室へ走る事が日課だった。
でも、今はそれさえ出来ない。

教室に取り残された私は
一体、何をすればいいんだろう?