2つ目のおにぎりを食べ終え
時計を確認すると7時10分過ぎだった。

駅から学校に続く並木道。
耳にイヤホンをしながら歩く
先輩がやってきた。

彼が私の想い人。
鏑木 瀬那(かぶらき せな)先輩だ。

ようやく会えた嬉しさから
かなり遠くの方にいる
先輩に手を振る。

少しずつ近付いてきた先輩は
校門で手を振る私を見つけ
露骨に嫌な顔をした。

雫「先輩!おはようございます!」

やっぱり先輩は何も変わらない。
夏休みが明けたら先輩の気持ちも
少しは変わるのでは?と期待していたのに
今日も先輩は平常運転。

私を無視した先輩は校門に立つ
先生にだけは挨拶した。