私は、今までにこんなにも
言葉と表情が合ってない人に
出会った事がない。

雫「はは。ですね。」

瀬那「何でお前は俺の事
嫌いになんないんだよ?」

雫「好きだからです。」

瀬那「理由になってねぇーよ。」

雫「何で、嫌いにならなきゃ
いけないんですか?
先輩に好きな人がいるって
知った時、ショックでした。
でも、先輩もちゃんと誰かの事を
好きになるんだって嬉しかったです。
先輩に何度も振られて
心が折れそうになった事もありました。
でも、やっぱり先輩は優しいから
諦めたくないって思いました。
ほら、数学の公式にもあるじゃないですか。
マイナスが2つ続けばプラスになるって。
それが、私の恋です。」

だから、全部伝えたい。
きっと、これが最後になる。

雫「いっぱい泣いたり
いっぱい悔しい思いしたり
いっぱい傷付いても
その分、いっぱい笑えれば
いっぱい幸せだって思えれば
それで私の恋はプラスになります。
そんな先輩を嫌いになる
理由ってありますか?」

見覚えのある先輩のその表情の
原因は知ってる。きっと私が1番。