龍星「ドリンク作らなくていいから。」

いつも通りドリンクを
作ろうとする私の手を梶谷先輩が止めた。

ああ、いよいよ嫌われたんだ。
私が酷い態度を取り続けていたから。

雫「そうですよね。
私、おこがましいですよね。」

龍星「そうじゃなくてさ。
何で、北見ちゃんが
ドリンク作ってんの?」

雫「どうゆう事ですか?」

龍星「それ、真名井の仕事だろ?
俺、こんな風に朝早く来る事って
なかったから知らなかったけど
後輩からいつも北見ちゃんが
ドリンク作ってくれてるって聞いて
確かめに来たんだ。」

梶谷先輩がこんなにも朝早くに来た
理由を知った。

私がどれだけ酷い態度を取っても
梶谷先輩は広く優しい心で接してくれる。

その優しさにほんの少しだけ
涙が出そうになった。

だからだと思う。
こんな話、誰にもするつもりは
なかったけど、人に対して
誠実な梶谷先輩が相手だったから
口から言葉が溢れ出した。